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ー【溶接の基本】アーク溶接の構造や種類について徹底解説!ー

2023.12.29

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溶接は金属を結合するための重要な製造プロセスであり、そのなかでもアーク溶接は広く利用されている手法です。

 

この記事では、アーク溶接および被覆アーク溶接に焦点をあて、基本的な概念と具体的な構造について解説します。

この記事を読むことで、アーク溶接の最低限押さえておきたいポイントについて理解できますよ。

 

特にこれから溶接現場で働いてみたいという方は最後まで読んでみてください。

 

アーク溶接の基本概念

アーク溶接のアークとは、プラズマの一種です。

二つの電極間で放電させることにより、高温のアークが発生します。

 

アーク溶接は、金属を接合する際に高温で発生する「アーク放電」という現象を利用する技術です。

発生する温度は5,000〜20,000℃といわれています。

 

金属には融点という液体状になる温度があります。

アーク放電を利用して、金属に融点以上の温度を与えて液体状にし、金属同士が溶けて混ざり合ったあと、冷却して固めれば金属が繋がり合うという仕組みです。

 

アーク溶接では電極が使用され、母材と呼ばれる接合対象の金属が高温で溶融します。

電極に電流を通すことで発生するアークを母材に向け、これにより金属が溶融し、冷却することで強固な接合が可能です。

 

アーク溶接の種類

アーク溶接は、電極が消耗されるかどうかで以下の2種類に大別できます。

 

・非消耗電極式(非溶極式)

・消耗電極式(溶極式)

 

非消耗電極式

電極として主にタングステンを利用します。

電極が消耗されないため、溶加材という溶接棒が必要です。

精密な溶接が必要な場合は、非消耗電極式が向いています。

 

以下は非消耗電極式の溶接方法です。

 

・TIG(ティグ)溶接

・プラズマ溶接

 

消耗電極式

消耗電極式は、電極として溶接棒やワイヤーを使用します。

電極は母材となる金属と同じ成分のものが必要です。

 

以下は消耗電極式の溶接方法です。

 

・被覆アーク溶接

・MAG(マグ)溶接

・MIG(ミグ)溶接

・セルフシールドアーク溶接

・サブマージアーク溶接

 

非消耗電極式と消耗電極式はそれぞれ複数の溶接方法がありますが、今回は消耗電極式の被覆アーク溶接という方法について解説します。

 

被覆アーク溶接は比較的安価な点や、さまざまな母材に対応できることから、現場溶接で多く利用されていますよ。

 

被覆アーク溶接とフラックスの役割

被覆アーク溶接では、電極に被覆材(フラックス)が施されており、フラックスが溶融されることでガスが発生します。

フラックスから生成されるガスにより、溶接箇所を外部の酸素や窒素から保護し、質の高い溶接が可能です。

ガスで接合部を覆うことにより酸素や窒素などの不純物の侵入を防ぎ、金属の酸化や不純物の混入を最小限に抑えます。

 

ほかの溶接方法では、溶接箇所を保護するためにシールドガスを使用する場合がありますが、風の影響を受けやすいため屋外での作業はできません。

 

被覆アーク溶接では、フラックスから発生するガスにより金属が覆われることで風の影響を受けにくくなります。

そのため、屋内外を問わず溶接を行える点や、シールドガスを別途使用しないという点が利点です。

TIG溶接などの屋内でしかできない溶接方法もあるので、屋内外問わず作業ができるのは、ほかの方法と比べてメリットになります。

 

フラックスが被覆アーク溶接の特徴ですが、電極に大きな電流を流すとフラックスが焼損することがあるので、注意も必要です。

 

使用できる電流は小さいものとなるので、作業の速度は比較的遅くなります。

 

フラックスの消耗と管理方法

被覆アーク溶接において、電極やフラックスが消耗することは避けられません。

消耗が進むと溶接の品質低下に繋がるため、定期的な交換が必要となります。

適切な電極選択や交換タイミングの把握が大切です。

 

フラックスは不純物を取り込むことで金属表面を浄化し、電極と母材の間に安定したアークを維持する役割を果たします。

しかし、高温のアークにより消耗するのは、電極だけでなくフラックスも同様です。

そのため、適切なフラックスの管理が求められます。

定期的にフラックスの交換や補充をすることで、被覆アーク溶接の品質を維持できますよ。

 

フラックスは基本的に湿気に弱いです。

フラックスが湿気を含むと以下の不具合が発生しやすくなります。

 

・アークが不安定になる

・ブローホール(気泡が溶接金属内部にはいってしまう現象)が発生しやすくなる

・溶接金属に水素が含まれて割れやすくなる

 

保管の際には、乾燥した保管庫または、100〜150℃に保たれている保管容器に入れておくことが必要です。

 

使用する前には、70〜100℃で30分〜60分の乾燥を行います。

乾燥後の待機放置時間も制限があり、通常2〜4時間のため、制限時間を越えた場合は再度乾燥する必要がありますよ。

 

まとめ

アーク溶接には多くの種類があり、状況に応じて溶接方法を変えられます。

溶接したい金属の種類、作業環境、仕上がり、費用などを鑑みて適切な溶接方法を選択することが重要です。

 

今回はアーク溶接の基本として押さえておきたいポイントをまとめました。

これから溶接現場で働きたいという方は参考にしてくださいね。

 

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