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ーアーク溶接で目を焼くとは?電気性眼炎の対処方法と目の保護ー
2024.01.26
溶接は幅広い分野で活用されている重要な技術です。しかし、溶接の光で目を焼く危険性もあります。
ここでは溶接で目を焼くとはどのような症状なのか、アーク光から目を守る保護具の種類、安全対策についてなどを解説します。
溶接の安全性を知りたい方は参考にしてください。
溶接作業と目を焼く危険性
溶接作業と目の危険性は密接に関係しているため、溶接作業を行う際には適切な保護具を着用して目を守ることが大切です。
ここでは具体的な危険性と、溶接光の紫外線による目のリスクを説明します。
アーク光で目を焼くとはどんな症状?
アーク溶接は電極と金属の間に電流を流して発生する高温の火花(アーク)で金属を溶かして接合する溶接方法です。
この光のことをアーク光と呼び、長時間目に当たると「電気性眼炎」という炎症を引き起こし、この症状を現場の作業者は「目を焼く」と言います。
電気性眼炎になると次のような症状が起こります。
・強い痛みを感じる
・充血で目が赤くなる
・涙が止まらなくなる
・光をまぶしく感じる
・目の中がゴロゴロする
スキー場などの場所で、雪の反射により視界が焼き付いたように感じる「雪目」と呼ばれるものと同じ状態です。
アーク光の紫外線によるリスク
アーク光は目に見える光だけでなく、紫外線や赤外線などの目に見えない光も含んでいて、目の表面にある角膜や結膜という薄い皮膜にダメージを与えてしまい危険です。
アーク光によって目が傷つけられると目の痛みや充血といった症状になり、繰り返し浴びることによって、紫外線が目の奥まで突破して入り込み、黄斑変性症などのリスクが高まります。
電気性眼炎は症状が数時間後に現れるため、治療が遅れることが多く注意が必要です。
アーク溶接をするときには、必ず保護面やメガネの遮光保護具を着用してください。
電気性眼炎の対処方法
電気性眼炎は基本的には自然治癒します。しかし、回復までは強い痛みを伴います。
痛みのやわらげ方などの対処方法を紹介します。
溶接で目を焼く痛みをやわらげる方法
溶接で目を焼く電気性眼炎の痛みをやわらげるためには、以下のような対処方法があります。
目を擦らない
目を擦ると、角膜の傷が悪化したり、感染したりする可能性があります。
暗い部屋で目を休ませる
紫外線によって過敏になった目は、明るい光にさらされると痛みが増すことがあります。
暗い部屋で目を閉じて安静にすることで、痛みを軽減できます。
コンタクトレンズを使用しない
コンタクトレンズは角膜に摩擦を与えたり、細菌を運んだりすることで痛みを悪化させることがあります。
電気性眼炎の症状が治まるまでは、コンタクトレンズを使用しないのが望ましいでしょう。
鎮痛剤を使用する
電気性眼炎の痛みはとても強いので、病院で処方されたものや市販の鎮痛剤を使用することで痛みをやわらげることができます。
濡れタオルや保冷剤を当てる
痛みをやらげるためには冷やすことが効果的です。
応急処置として、濡らしたタオルや保冷剤を瞼に当て安静にしましょう。
溶接で目を焼くと回復までの期間はどれくらい?
電気性眼炎の回復期間は個人差があり、目に入ったアーク光の強さによって異なります。一般的には翌日には症状が治まります。
遅くとも数日以内には目の痛みや充血は消え回復するでしょう。
回復を早めるには適切な対処をすることです。しかし症状が出るまで数時間かかり、気づきにくいので注意が必要です。
もしも数日経っても痛みが残ったり、症状が改善しない場合は眼科医に相談してください。
電気性眼炎の目薬の治療効果
電気性眼炎の治療には、目薬(点眼剤)がよく用いられ次のような種類があります。
医師の処方のもとに、正しく使用してください。
抗菌薬
感染症の予防と治療をする目薬です。細菌やウイルスなどの病原体を殺菌したり、増殖を抑えます。
角膜保護薬
角膜の傷の治癒を促進する目薬です。角膜の表面を保護したり、新しい細胞の生成を助けたりします。
鎮痛薬
炎症を抑え目の痛みを和らげる目薬です。
ビタミンB2
目の痛みを和らげる目薬です。ビタミンB2は、角膜の代謝に必要な栄養素です。
溶接時の安全対策と予防
溶接作業を安全に行うためには、紫外線を遮断して目を守る保護具の着用が不可欠です。
フェイスシールドやメガネタイプには、以下に紹介するような種類があります。
アーク光から目を守る保護具
アーク光から目を守るためには、遮光保護具と呼ばれる専用の保護面や保護メガネを使用する必要があります。
遮光保護具には、以下のような種類があります。
溶接面
溶接作業用の保護面で、窓枠部分に遮光ガラスを装着しています。
遮光ガラスは、紫外線や赤外線を遮断する色付きのガラスで、溶接の種類や強度に応じて適切な遮光度を選びます。
保護メガネ
溶接作業以外の場合に使用する保護メガネで、レンズ部分に遮光ガラスやポリカーボネートなどの素材を使用します。
保護メガネは溶接面よりも軽くコンパクトで、作業の邪魔になりにくいです。
レーザー用保護メガネ
レーザー加工などの作業で使用する保護メガネで、レンズ部分に特殊なコーティングやフィルターが施されています。
アーク光から目を守るためには、作業環境や作業内容に合わせて適切な遮光保護具を使用しましょう。
また遮光保護具は、定期的に点検や交換を行い、傷や汚れがないか確認することも大事です。
電気溶接のリスク管理
アーク光によって目を焼くリスクを防ぐためには、事前のリスク管理が不可欠です。
具体的な方法としては、以下のようなものがあります。
・安全教育や作業前の点検を徹底する
・作業に適した遮光保護具や呼吸用保護具を着用する
・溶接機の点検や保守を行う
電気溶接のリスク管理は、安全対策だけでなく、作業の品質を向上させる効果もあります。
作業者自身の意識にもかかわるので、安全な作業を心がけましょう。
まとめ
溶接作業で目を焼く危険性について、アーク光で目を焼くとはどのような症状なのかなどを解説しました。
溶接はリスクが発生する場合もありますが、保護具を着用して安全性に注意すれば危険はありません。
溶接は金属加工に欠かせない技術で、幅広く活躍の場が広がるやりがいのある仕事です。
これから溶接の仕事をしたい方は、安全対策に気を配ることを忘れないようにしましょう。
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