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ー金属の接合後の強度や欠陥を知る方法は?検査方法をわかりやすく解説ー

2023.11.24

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基本的に強度は変化しない

 

溶接は、金属に熱や圧を加えて、材質を変化させて再凝固させています。金属が変化し、再び接合すると接合前より強度が劣ると思う人も多いのではないでしょうか?

溶接の強度は、溶接後の強度がどのように作られるかを知る必要があります。溶接の接合部分は、基本的に材料の強度に由来すると考えられています。つまり、母材の素材が変化しなければ、溶接後も金属の強度は変わらないということです。

ただし、これには適切な方法で熱や圧を加えるという条件が必要です。母材を考慮しない溶接方法や溶接を行う環境が接合部へ与える影響などを考えずに溶接を行うと、強度が落ちて、欠陥が生まれるのです。

しかし、すべての条件を満たしていても、溶接後の強度が一定に保たれるとは限りません。このため、溶接後の欠陥を検査する方法があります。

今回は、溶接後の強度を調べる方法について、わかりやすく解説したいと思います。

どのような検査方法があるのかしっかり把握して、実際の現場で役立たせると、可能な作業の範囲が広がります。

 

欠陥の確認は

 

溶接で起きる欠陥にはさまざまな種類があります。これは、溶接の種類や接合する金属がさまざまであることに加えて、溶接を行う環境が異なるためです。

溶接が適切な方法で行われなかったり、熱や圧の冷却がうまくいかないと、強度が落ちるなどの欠陥が生まれます。

しかし、溶接後に起きる欠陥は、細かい箇所も多く、目視では確認できないものも多いです。このため、強度や欠陥を確認する方法が用意されているのです。

基本的に、強度や欠陥の確認は、非破壊検査で行われることが多いです。溶接部分を壊さないで状態を検査できるため、溶接部の強度を変化させません。

ただし、溶接箇所などによって適した検査方法を選ぶことが必須です。

 

4つの非破壊検査

 

では、具体的に溶接部に変化を起こさずに、強度や欠損を調べる検査にはどのようなものがあるのでしょうか。

溶接箇所を壊さずに欠陥を確認する非破壊検査には代表的な4つの方法があります。

すべての検査を通過することで強度を確認するのではなく、溶接方法や、金属の形や素材などに合わせて検査方法を選びましょう。経験から判断することもあるため、初心者で判断が難しい場合には、指導者に指示を仰ぐことも大切です。

 

放射線を使うもの

 

放射線を溶接箇所に当てて、反対側から放射線によって透かされたフィルムで強度や欠陥を確認する方法が、放射線透過試験です。溶接部にレントゲン検査を行うと言うと、イメージしやすいのではないでしょうか。

溶接部をレントゲンで確認することで、溶接が完了しているか、接合に不具合が起きていないかなどが確認できます。また、スラグが巻き込まれているときには、フィルムに黒く映るため確認しやすいです。

ただし、放射線を当てただけでは強度や欠陥は確認できません。フィルムを投光器で照らし、フィルムに映し出されたものを目視して確認します。初心者には、フィルムの濃淡が判断しにくいことも多いため、技術や経験を重ねながら検査方法を習得しましょう。

 

液体を染み込ませる方法

 

溶接箇所の表面に浸透しやすい液体を塗布し、亀裂に液体をしみこませることで傷を確認する方法が浸透探傷試験です。液体が亀裂に入り込んでいるため、表面の液体を拭き取っても液体が残り、欠陥を確認できるのです。

浸透探傷試験はどのような形の溶接部分でも行うことができるため、活用できるものが多いです。また、簡易検査として浸透探傷試験が選ばれることも多いです。加えて、液体をしみこませても、部材に変化が起きることはなく、欠陥を判断するために特殊な機械を用いる必要がないため、取り入れやすい検査方法です。

 

磁粉を動かすもの

 

溶接を行った接合箇所の周囲に金属を付けて磁化し、磁粉の散布を目視することで、欠陥を確認する方法が磁粉探傷検査です。溶接部に傷や穴があると、その周囲に磁粉が集合するため、目視でも欠陥を確認できます。

磁器と金属の特性を用いた原始的な方法ですが、わずかであっても欠損があれば磁粉が傷や穴に向かって動くため、目視で確認しやすい検査方法です。ただし、磁力を用いた検査方法であるため、周辺に精密機器がある場合などでは注意が必要です。

 

超音波を使うもの

 

超音波を接合箇所に当て、反射を確認して傷を知る方法が超音波探傷検査です。超音波を当てることで、傷がエコーに反射するため、欠陥箇所を探知できます。また、超音波を当てることによって、金属や接合箇所に変化が起きません。

金属の大きさや厚み、形、強度に関係なく、欠陥の確認を行える検査です。

 

さまざまな溶接と検査を知る

 

溶接の現場では、金属の種類や形、大きさ、溶接後の環境などによって、さまざまな溶接方法が選ばれます。適切に溶接を行うことで、精度の高い溶接が完成するのです。

ただし、どのような溶接方法であっても、部材や冷却方法、溶接を行った環境などによって、同じ強度に仕上がるとは限りません。このため、溶接後に検査を行って、強度や欠陥がないか、詳しく知る必要があります。

強度や欠陥を調べる検査にも、溶接方法と同じようにさまざまな種類があります。検査方法も、溶接方法や接合したものの種類や形、大きさに合わせなければなりません。

一見して、溶接や検査方法は、金属や接合の構造を理解しなければならず、複雑に感じるかもしれません。しかし、技術を得ながら経験を積むことで、十分対応できるようになります。

溶接やその検査方法を詳しく知っていると、活用できる機会は多く、作業が可能な範囲が広がります。多くの経験を積める現場で、さまざまな溶接や検査方法を習得しましょう。

 

まとめ

 

溶接は、金属に変化を起こし、接合します。材質に変化が起きても、強度が変化することはないと考えられています。しかし、条件が異なったり、冷却がうまくいかないと、強度に変化が起き、欠陥が生まれます。このため、溶接部を壊さない方法で検査を行い、強度や欠陥を確認します。このことで、溶接が正常に完了していることを角煮できるのです。

どのような検査方法を用いるかは、金属や溶接方法の特徴に合わせる必要があります。さまざまな溶接や検査方法を知って、適したものを選ぶようにしましょう。

技術や経験が少ない初心者であるときは、すでに知識のある人に指導を受けながら、経験を積むことが大切です。

 

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