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適した方法や材質を選ぶことで接合する方法をわかりやすく解説
2023.07.28
熱や圧を加える方法
さまざまな方法で、熱や圧を加えて、物を接合する溶接。
溶接の方法には多くの種類があり、加工する材質によって方法を変える必要があります。それぞれの方法には技術が必要で、どのような材質であるかを見極め、適切な方法で溶接しなければ、製品をうまく作れません。
溶接には、さまざまな種類があります。それぞれ、加工法が違うことも溶接の特徴でもあるのです。
今回は、材質によって異なる溶接の種類のうち、代表的なものをわかりやすく解説します。
広く使われているもの
溶接は、材質によって、適した加工法を選ぶ必要がありますが、溶接の加工法は数えきれないほど多いものです。代表的な方法は
・融接
・圧接
・ろう接
であり、溶接に携わっていなくても、単語を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。
3つの代表的な溶接は、さらに細かく分類でき、代表的なものが
・アーク溶接
・レーザー溶接
・圧接
・ろう付け
などです。
ここでは、細かく分類された溶接のうち、代表的な方法について、解説しましょう。
放電現象を用いる方法
アーク溶接は、溶接のなかでも親しみのあるものです。
コンセントなどを思いきり引き抜いたときに火花のようなものを見るときがあるでしょう。アーク溶接は、この現象と同じ放電現象を利用して加工する方法です。
溶接機の電極棒が、溶ける材質であるかによって分類され、溶融電極式を用いる場合には、溶ける材質の溶接棒を電極にします。このとき溶接棒が、加工したい母材に必要な溶加材の役目をするのです。
溶加材を都度供給するのではなく、自動的に供給する方法は、半自動アーク溶接と呼ばれ、被覆剤が塗られた状態の溶接棒を電極に用います。
ただし、被覆アーク溶接は、溶加材を都度供給しなければなりません。溶接棒を手動で動かすため、コストを低く設定できるというメリットがあります。
光線の熱を利用する方法
光線に起きる熱を利用するレーザー溶接は、違う材質の金属であっても加工や接合が可能です。そのため、さまざまな材質を接合するときに用いられています。
また、アーク溶接より、精度が高い溶接が可能であることから、細かい部品を多く含む溶接に向いています。
ただし、レーザー溶接は、わずかでも水分や油分があると、うまく溶接できないという特徴があります。接合しようとする箇所に、水分や油分が付着していないかを確認して、溶接しなければなりません。
わずかな水分や油分にも反応するため、母材を固定するときにも、細心の注意が必要です。
繊細な作業を必要とする溶接の方法であるため、高い技術に加えて、扱う材質を見極めることが大切です。そのため、熟練した技術者が作業をすることが多い加工法です。
電極で挟む方法
アーク溶接などの融接とは方法が異なるのが圧接です。
まず母材となる金属を重ねた状態で電極で挟み込みます。挟んだ電極に電流を流し、接合部分に熱と圧を発生させることで、溶接を図る方法です。
圧接に分類される抵抗溶接は、機械化が実現可能で、効率の良い作業を低いコストで実現できます。そのため、大量生産をする製品の溶接に多く用いられる方法です。
ただし、電極を挟んで接合するため、溶接部分が目視できないことがデメリットです。
古くから使われている方法
ろう付けは、古くからさまざまな場面で用いられてきた溶接方法です。多く知られているのは、奈良の大仏にろう付けが使われたことです。
熱によって溶かした溶加材によって、母材同士を接合させる方法で、異なる材質や、厚みのある材質であっても、接合できることから、広く用いられる溶接です。加えられる熱は、ガスバーナーが用いられることもあります。
・違い
ろう付けは、はんだ付けとよく似ているため、呼び方が違うだけだと思っている人も多いです。しかし、ろう付けとはんだ付けは、融点に違いがあります。ろう付けは450℃以上、はんだ付けが450℃以下です。
ろう付けは融点が高いことに加えて、接合した部分の強度が高いことも特徴です。
はんだ付けは、融点が低いため、ろう付けに比べると強度が低いというデメリットがあります。
しかし、融点が低いため、コテなどに応用でき、接合をより身近にし、簡単にするというメリットがあります。また、コテは細かい部分の接合に向いています。そのため、はんだ付けは電子機器や配線の接合に適しています。
・アーク溶接とろう付けの違い
アーク溶接は、母材を加熱して、接合します。一方でろう付けは、母材を熱で溶かすことなく、液状の溶加材で接合します。接合原理がアーク溶接とは大きく異なるのです。
進化する材質
溶接にはさまざまな材質が使われますが、これらの材質は、効率や機能、環境などに配慮して、常に進化しています。
アーク溶接では、自動化やロボット化などが進み、より効率よく、より低コストで製品をつくれるように改良や開発が進められているのです。
また、低合金鋼や高合金鋼などが使われる場合には、溶接の材質の高性能化や高品質化が進められており、より性能を高めるための技術開発が行われています。
さまざまな方法があり、多くの製品を製造する場面で用いられる溶接は、使われる材質の性能や品質を高めることで、より暮らしを豊かにすることが求められています。
重要性
溶接には、適切な材質を選ぶことも重要です。適切な方法でなければ、うまく接合ができません。
溶接の作業を必要とするものは、大きな製品から小さなパーツまでさまざまです。どのような材質の溶接を行うかによって、溶接方法や溶接材を選ばなければなりません。また、母材も目的に合わせる必要があります。
どのような材質であるかを見極め、目的に適した溶接方法と材質を選ぶようにしましょう。
まとめ
溶接の種類は多く、すべてを把握するのは難しいほどです。そこで今回は、代表的なものを紹介しました。共通しているのは、適した材質や方法を選ぶ重要性です。
溶接は材質や接合する箇所によって、加工方法が異なります。溶接というと、一見して同じ方法のように感じますが、それぞれに特徴があります。最近では、溶接の材質に効率化や高品質化が求められています。
効率化が図られても、適切な方法で溶接することで、仕上がりのきれいな製品ができることには変わりありません。
そのためには、溶接方法を熟知し、適切な材質を見極められるようにしなければなりません。また溶接材も、母材や溶接方法に合わせて選ぶ必要があります。
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