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接合方法の一つである溶着は溶接と何が違うのかをわかりやすく解説

2023.03.24

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さまざまな素材は、用途によって接合方法が選ばれます。

どのような方法であっても、材料を接合することを溶接と言います。しかし、溶接と似た言葉に溶着があることを知っていますか?

文字を見ても、さほどの違いがあるようには見えません。溶着は、熱を加えることにより軟化した材料に外から圧を加えると、連続的に形を変えるものであるプラスチックや金属に属さないものを接合する方法を指します。

つまり、熱可塑性の物質の接合に用いられる方法ということです。

このように書くと難しく聞こえますが、熱可塑性の接合は暮らしの身近なところに存在します。プラスチックのパッケージのシール部分などでは、溶着が用いられているのです。

今回は、文字も実際の動作もよく似ている溶接と溶着について、わかりやすくお話ししたいと思います。

 

溶着の仕組みと特徴

プラスチック、金属に属さないものを接合する方法を溶着ということを先述しました。溶着は、熱によって溶解を起こし、そこに圧を加えて、さらに接合箇所を冷やすことで完結します。

接合される金属に属さないものとは、銅や鉛、亜鉛、アルミニウム、マグネシウムなどの金属です。また、溶着では接合される熱可塑性のプラスチックの接合にも多く用いられる溶接方法です。

プラスチックにも種類がありますが、塩化ビニールやアクリルなどのフィルムやシートであれば、溶着に対応できることがほとんどです。

では、ここからは溶着の工程を少し詳しく紹介したいと思います。

 

工程

溶着の方法で接合する場合には、加える熱と圧、さらに接合されたものを冷やすバランスを考えて作業する必要があります。

このバランスがうまくとれていないと、設計通りの仕上がりにならなかったり、仕上がりがきれいなものになりません。

 

熱を加える

溶着で行われる熱の加え方は、外から熱を加える方法と、接合する素材そのものを熱する方法があります。

外から熱を加える方法を外部加熱と良い、外部加熱は熱伝道を用いるため、熱されるまでに時間を必要とする場合が多いです。

一方で、素材そのものを熱する方法である内部加熱は、接合するもの自体が加熱されることから、時間を掛けずに作業を行うことができます。

 

圧を加える

熱したあと、圧を加える作業では、接合するものに圧が掛かることで素材そのものの形状などを変化させるのではなく、分子に作用し接合を図る溶接方法です。

加える圧が高いと溶着に掛かる時間を短くすることができます。しかし、適切な圧が加わらないと素材の形状が変わってしまったり、接合箇所の強度を守ることができません。

 

冷やす

熱を加えたあと、圧を加える溶着では、最後に冷やすことで接合の強度を上げることができる溶接方法です。

熱され圧が加わったあと、冷やす工程は冷却と呼ばれ、冷却の時間が十分に行われないと強度が低いものや、仕上がりが良くないものが出来上がってしまいます。

 

溶着には種類がある

溶接の方法である溶着には、種類があります。

一般的なものは、
* 高周波溶着
* 熱溶着
* 超音波溶着
です。

それぞれ、どのような方法なのか、紹介しましょう。

 

高周波溶着

高周波ウェルダーとも呼ばれる方法である高周波溶着。
高周波をワークを伝えて素材に当て、分子を振動させます。

この分子が振動することで熱が生まれ、生まれた熱を溶着させることで接合できる方法が高周波溶着です。

外から熱を加えて接合する方法ではなく、材料の分子を振動させた熱で接合するため、内部加熱によって溶接が可能になる方法です。
分子による接合であることから強度が高い特徴があり、仕上がりが綺麗であるというメリットがあります。

また高周波であることから騒音が起きることがなく、有毒ガスなどの発生も起きません。

 

熱溶着

熱溶着は、外から接合部分を加熱し、溶着する方法です。熱風式や熱板式などが広く知られています。またコテ式も熱溶着の一つです。

材料の間に熱風を当てることで熱を加え、さらにローラーで圧を加えることで溶着を可能にします。直接熱を当てる方法であるため、素材の厚みが影響されることがありません。また曲線などの場合でも接合が可能です。

また熱板式の場合では、熱した板で素材を溶解させ、接合が完了するまで圧を加えます。素材の大きさや形状に影響されることが少ないことが特徴です。ただし、精密機器や電子部品を含む場合には、熱板式の溶接は向いていません。

これらの溶接方法に対して、コテ式は同じように熱を加えるものの、コテに入れて熱を加え、さらにローラーで圧を加えて溶接します。

直接、熱板を当てることから、素材の厚みによる影響がないほか、風合いを保ったまま仕上げることができます。

 

超音波溶着

超音波を伝えるホーンと呼ばれるチップを伝って15kHzから200kHz程度の超音波を流して、接合する方法が超音波溶着と呼ばれます。超音波溶着では、超音波を発するための機械を使います。

この機械によって超音波による振動で接合する部分の素材自体に熱を生じさせ、接合します。予熱の必要がなく、電源を入れればすぐに接合できる機械を使うことがメリットです。このため、作業に掛かる時間を短縮することができます。

消耗品と作業時間が少ないことから、費用を抑えられることが特徴で、仕上がりもきれいであることから、広く用いられています。

超音波用瀬着は、大型のものや複雑な形状のものには向いていません。ただし接合する部分の表面に汚れがある場合でも接合が可能な場合があります。

 

溶接とは何が違うのか

溶接と溶着は、何が違うのでしょうか。どちらも物質を接合する作業であることは変わりません。しかし、溶接は母材や溶加材を溶かし、金属を接合する方法を指します。

接合されたあと、溶融した部分を確認できるものが溶接です。しかし、溶着は溶融部分を確認できない場合があります。英語での分類がなく、溶接も溶着も「welding」と表記され、一見して誤差がないように感じられます。

 

まとめ

ここまで、溶着についてお話ししました。
溶着は、熱し圧を加えたあとに、冷やすことで接合を可能にする溶接方法です。

溶着は、熱を加えた材料に圧を加えることで、接合する方法を指します。熱可塑性の物質の接合に用いられる溶接方法ということです。
素材によって適切な方法が異なる溶接。

さまざまな種類がありますが、素材と用途によって、方法を選ぶことが大切です。

 

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