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種類多き溶接
2023.03.17
溶接は、細分化されたものまで加えると、その種類は、60種類を超えると言われています。
溶接の種類は大きく、
* 融接
* 圧接
* ろう接
に分けることができます。
今回は、溶接の種類と用途、それぞれの特徴やメリットなどについて、詳しく説明したいと思います。
大きく分けると
まず大きく分けられる3つの溶接について、簡単に説明しましょう。
融接は液体の状態で、溶接材を熱する溶接方法のことです。圧接は、固体のまま溶接材に加わる圧によって接合される方法を言います。一方で、ろう接は、溶接材を溶かさないまま、溶加材を用いて変化させ接合することができます。
では、ここからはそれぞれを少し詳しく紹介したいと思います。
アーク溶接
融接は、溶融して接合する溶接の方法です。
融接には、
* アーク溶接
* 電子ビーム溶接
* レーザー溶接
* プラズマアーク溶接
の種類があります。
まずアーク溶接の特徴として挙げられることが、用いられる現場が多いことです。溶接というと結びつきを持つものがアーク溶接で、火花が出たときなどに起きる放電を利用した溶接方法です。
工場などで見かける溶接作業はアーク溶接であることが多いものです。
アーク溶接は、溶接機と電極棒が溶けるか溶けないかで分けられます。
半自動アーク溶接(半自動溶接)は、溶加材が自ら供給できるものを指します。このほかにも、被覆材であるフラックスを溶接棒に塗り電極として用いる被覆アーク溶接の方法があります。
被覆アーク溶接はコストを抑えられるメリットがあるものの、溶加材を加える作業が手動であることから、作業の一つずつに手間が掛かるデメリットがあります。
マグ溶接
ガスシールドアーク溶接の半自動溶接がマグ溶接です。
酸化しないために、シールドガスが溶接部と酸素を遮断し、不活性ガスだけでは、溶け込みにくいため、不活性ガスと二酸化炭素が配合された混合ガスが用いられます。
不活性ガスを用いると、きれいな仕上がりを作ることができるメリットがあります。しかし二酸化炭素を用いると、アークが溶け込みすぎてしまうデメリットが生じます。
このメリットとデメリットを用いた溶接がマグ溶接なのです。
ただし、鉄金に属さないものに用いることはできません。
ミグ溶接
ミグ溶接は、不活性ガスが用いられます。半自動溶接ではあるものの、シールドガスを使うことが異なる点の一つです。
ただし、安定を図るために、わずかな酸素を混ぜ合わせて使われる場合も多くあります。
作業が難しく、不活性ガスのコストが高いデメリットがありますが、マグ溶接と違って、溶接する金属を特定しないという特徴があります。
ティグ溶接
ティグ溶接は、ガスシールドアークに分けられます。
ティグ溶接は、放電による火花の中に溶加材を溶かす必要があり、非溶融電極式であるため、溶けない電極棒を用います。
溶加材は手動で加えなければなりませんが、放電による火花が激しく飛散しないことが特徴です。
仕上がりがきれいであり、金属を特定しないメリットがあるため、鉄金に属さない素材の接合に用いることもできます。
プラズマ溶接
プラズマ溶接は、不活性ガスが用いられます。
トーチ内でイオン化された不活性ガスがプラズマガスに変化し、プラズマガスが導電体となることで、プラズマアークが作られる溶接方法です。
コストが高くなるデメリットがありますが、アークの溶け込みを深くできる特徴があります。
レーザー溶接
融接は、レーザーの熱を利用して溶接する方法です。
精度の高い溶接が可能であることや、組成が異なる金属であっても接合できることが特徴です。
ただし、水や油に敏感に反応することから、これらの付着があるとうまく溶接することができません。また固定するために用いられる器具には、クオリティの高さが求められます。
抵抗溶接
抵抗溶接は圧接である抵抗溶接は、電極で重ねた金属を挟むことで溶接が可能になります。
電極に流れる電流が、熱と圧力を接合部位に加えることで接合が可能になります。
抵抗溶接は、熟練した技術を必要としないことから、機械化することが簡単で、効率化を図れることがメリットです。技術を必要とする作業員を配置せず機械化することが可能なため、大量生産に向いていることが大きな特徴です。
抵抗スポット溶接
抵抗スポット溶接は、点で溶接されることが特徴です。
スポット溶接は、自動車の車体に使われることが多い溶接で、薄板の溶接に用いやすい特徴があります。溶接を行う母材に挟むガンと、ガンに電気を流す溶接機によって、接合されます。
自動車生産においては、ロボットによって取り付けられる場合もあります。
プロジェクション溶接
抵抗溶接に分類されるものには、プロジェクション溶接もあります。
プレス加工がすでに施されたされた母材に、プロジェクションが施される方法です。プロジェクション溶接は、厚板の溶接などに用いられることが多く、厚板以外には、ナットやボルトなどの溶接にももちいられます。
また、多点溶接を行うことで、薄板の溶接を行うときに用いられやすいことも特徴です。溶接するときには、プロジェクションに電流を多く流し、溶解し固めることで接合が実現します。
溶接機が挟む熱を一点に集めることができるため、熱による影響を抑えられることも、プロジェクション溶接のメリットの一つです。
シーム溶接
抵抗溶接の分類には、シーム溶接もあります。しかし、シーム溶接は、電極に円盤のローラが用いられ電極の形が大きく異なることが特徴です。
この円盤のローラに流された電流を回転することで、続けた溶接が可能になります。
このため、シーム溶接は、気密性や防水性が必要な箇所での溶接に用いられることが多く、厚板の溶接に用いられやすい特徴があります。
まとめ
今回は、溶接の種類や特徴、溶接する箇所や場所などについて、詳しく紹介しました。
ここに紹介した以外にも、溶接の方法は多く存在します。溶接そのものは、目にする機会も多く、工場や工事現場では広く使われていることが多いものです。
溶接は、用途や接合素材、どのような場所で行われるかなどによって、適切で可能な溶接を選ぶ必要があります。母材や目的に応じた溶接を行うことで、仕上がりや強度を維持することができるのです。
また技術や知識が必要な溶接もあります。技術や知識がないまま行うことで、危険が増す場合もあるため、必要に応じた技術と知識を得るようにしましょう。
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