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溶接品を加工する!特に気になる溶接ビードの削り方を紹介!

2023.09.22

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溶接品は、基本的にそのままにするケースと、切削などで削ったり除去したりするケースがあります。
特に、溶接ビードと呼ばれる状態の場合は、削ることが必要になり、削り方も注意することが重要です。

そこで今回は溶接品のうち、溶接ビードの部分を削ることについて解説しましょう。

 

削る必要がある?溶接ビードとはどのようなものか?形状も解説

溶接ビードは、基本的に削ることがほとんどです。

では、この溶接ビードとはそもそもどのようなものなのか、形状や除去の必要性について解説しましょう。

まず、溶接ビードとは、主に電気で溶接するアーク溶接の際に発生する溶接部分のミミズ腫れしたような盛り上がりを言います。

アーク溶接の溶接棒が溶けることで溶接されるため、溶接部に溶けたワイヤー分の質量によって盛り上がりが生じてしまうのです。

外見だけなら問題ありませんが、内部にも同様の痕跡が出てきてしまうのが問題になります。

溶接ビードにはさまざまな形状があり、主に電流の量によって形に変化が見られます。

ビードの大きいものと小さいものに種類が分かれ、電流の大きい状態でアーク溶接を施工すると大きなビード形状が生じ、反対に小さな電流量の場合は、小さな形状ができる仕組みです。

そのため、溶接職人は場所によって溶接ビードの形状を意識し、施工していることがほとんどです。

ただ、どうしても溶接ビードができてしまうので、なるべく形を整えて溶接ビードを生じさせることが基本ですが、オーバーラップと呼ばれる茎状不良を生じさせることを避けています。

オーバーラップを生じさせてしまうと母材にも重なってしまうため、形状だけでなく溶接の強度にもマイナスな影響を与えてしまいます。

このようにアーク溶接を行うと生じることの多い溶接ビードは、かつて削る方法を検討し施工することは少なく、そのまま放置していることもありました。

しかし、現在は次の理由から削る方法を検討し、切削除去を施工しています。

・パイプ内部の衛生確保
・美観の向上

溶接ビードはパイプなどに施工する場合、外側だけでなく内側にも溶接ビードが生じることは先ほども触れました。
実は、内側に溶接ビードができてしまうと、パイプ内部に引っかかりができてしまいます。

これによって粉体や粘度の高い液体が滞留してしまうことがあります。
それによってパイプの詰まりになるだけでなく、医薬品や食品製造をしている場合は、パイプ内にある原料が滞留し、腐敗する危険が生じるのです。

食品や医薬品では、そういった状態を生じさせてしまうと雑菌繁殖も容易に起こります。
このような危険を未然に防ぐ意味でも溶接ビードを削ることは重要なのです。

美観の向上にも重要です。
溶接ビードはきれいに意図的に作ったものでも美感上、気になるケースも少なくありません。
このような場合も削る方法が検討され、表面を滑らかにする必要があります。

次の項目では、溶接ビードを削る方法などについて解説しましょう。

 

溶接ビードを除去するさまざまな方法

基本的に溶接ビードは、さきほどの理由から近年除去されることの多い部分になってきました。
そのような溶接ビードの除去には主に削る方法がメインです。

ここでは、溶接ビードを削る方法やそれ以外の方法について紹介しましょう。

まず、削る方法は切削と呼ばれる方法です。

意図的に削るので仕上がりがキレイなことやコストが安いといったメリットもあります。
ただし、削るとカスも多く出るため、削りカス対策を講じることが必要です。

次に圧延があります。
これは圧力を加えて溶接ビードを伸ばして消す方法です。

非常に外見が良くなるものの、導入コストが高額になったり、質量の増加を招いてしまうことがあります。

3つ目は転造です。

素材に強い力を加えて盛り上げて潰すように成形する加工方法で、「ダイス」と呼ばれる丸形の工具を使って強い力で挟み込み、さらに盛り上げて成形する加工方法です。

すぐに溶接ビードを小さくできますが、外見上荒さがあります。

このように3つの方法が主な溶接ビードの除去方法ですが、やはり手早くできる削る手法が用いられやすい傾向です。

 

溶接ビードを削るためのグラインダーの種類を紹介

溶接ビードはさまざまなグラインダーと呼ばれる回転して削る工具で削り取っていきます。
ここでは、主な種類を紹介しましょう。

まず、高速切断機は切断に使用する工具です。

砥石を高速回転させて切断する仕組みの工具であり、溶接ビードに当たるようにセットすることで正確に削るといった特徴があります。

卓上グラインダーは小さな溶接ビードを削るのに適した工具です。

卓上に固定したまま砥石を回転させて溶接ビードを切除できる工具で、両頭グラインダー、バフグラインダー、ベルトグラインダーがあります。

両頭グラインダーは、卓上のグラインダーで両端に回転する砥石を取り付けています。
それぞれの砥石の粗さを使い分けることで、効率的な加工が可能です。

バフグラインダーは、仕上げに削る工具です。
鏡面化するのに利用できるグラインダーでもあります。

ベルトグラインダーは、ベルト状の研磨ベルトと呼ばれるものを回転させて溶接した場所を押しつけることで、溶接ビードを削り取ります。

溶接ビード以外にもバリ取りなどで使用するケースもあるのが特徴です。

ストレートグラインダーと呼ばれるものもあります。

ポータブルのグラインダーで現場でも溶接ビードを削る能力を持っています。

アングルグラインダーは、難しい狭い場所の溶接ビードを削るのに適しているグラインダーです。
角度のついたグラインダーになっています。

ディスクグラインダーは、サンダーとも呼ばれるもので、先端に砥石をつけて高速回転させるのが特徴です。

 

まとめ

今回は溶接品のうち、溶接ビードの削り方や削るためのグラインダーの種類をまとめました。

溶接の種類はさまざまあり、溶接ビードが生じないものが存在する反面、アーク溶接の場合は溶接ビードが発生しやすく、発生した場合は除去するのが主流になっています。

そのため、削り方についても解説しましたが、今後溶接の進化によて溶接ビードの削り方を知る必要がないくらい精度の高い溶接が可能となるかもしれません。

 

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