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アーク溶接のつなぎ方についてわかりやすく解説
2023.04.21
なぜ溶接できる?
溶接は金属などの素材を溶かして接合することを指します。素材のつなぎ方には、素材そのものを熱したり、外から熱を加えたり、また熱されたものの上から圧を加えるなど、さまざまな方法があります。
共通して言えるのは、素材そのものを一体化することです。融点が高い素材であっても、熱したり圧を加えたあとに、直ちに冷やすことで一体化し、溶接が完了します。
溶接には、さまざまな方法とつなぎ方があり、素材や用途、場面によって、また素材の断面の状態によって、適切な溶接を選ばなければなりません。
今回は、さまざまな溶接の中でも、最も使われることが多いアーク溶接ではどのようなつなぎ方がされているかについて、わかりやすく解説したいと思います。
使われることが多いアーク溶接
溶接では、最も広く使われているものがアーク溶接でしょう。
溶接について詳しくない人が、溶接と聞いて思い浮かべるものは、ほとんどアーク溶接であると言っても良いほどです。
では、アーク溶接は、どのようなつなぎ方をしているのでしょうか。
アーク溶接は、溶接棒を溶接機から繋がっているトーチに取り付けることが最初の工程です。そして、このトーチを溶接しようとする素材に擦り付けます。これがアークスタートと呼ばれる作業です。
アークスタートは、溶接棒が素材に付きやすく、一定の技術が必要であることが多いです。またアークで素材と溶接棒を同時に溶かして溶接するつなぎかたであるため、溶接棒の交換を頻繁に行わなければなりません。
メリット
アーク溶接は最も広く使われていることを先述しました。では、アーク溶接が広く使われている理由でもあるメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
アーク溶接は、鉄骨や重機の修理など、屋外での溶接や、細かい部分の溶接に向いている溶接です。
ガスを使わずに素材を接合するつなぎ方であるため、風の影響を受けることがなく、また有毒ガスの発生など影響を与えることがありません。
また、つなぎ方の仕組みがシンプルであるため、溶接機は比較的低価格であることが多いこともメリットで、ホームセンターなどでも市販されているものもあります。このため、一般的な家庭のDIYにも用いる人もいるほどです。
ただし、家庭用電力の出力ではアーク溶接は難しく、薄板はすぐに穴が開いてしまう場合があるため、初めて溶接するという人には、難しいつなぎ方である場合が多いです。
デメリット
アーク溶接のメリットをお話ししましたが、デメリットはどのようなものがあるのか、ここで紹介したいと思います。
アーク溶接のデメリットは、溶接が完了しても、フラックスと呼ばれる黒皮を被っていることがあることです。これをきれいに剥がさなければならず、仕上がりはきれいにならないことがあります。
このため、仕上がりの美しさを求めるときは、アーク溶接のつなぎ方は向いていない場合があります。素材や用途がどのようなものであるかを把握し、溶接の方法や種類を選びましょう。
アーク溶接の工程
ここからは、具体的にどのような工程であるのかを解説したいと思います。
溶接機のつなぎ方
アーク溶接は、溶接機を使って、素材を接合する溶接方法です。このため、最初に、溶接機の電源を繋ぎ、電流を流す必要があります。このとき、ボルト数を間違えないようにしましょう。
また感電を防ぐため、溶接機に取り付けられているアース端子からアースを取ることを忘れないようにしましょう。
汚れなどを取る
次に、アースクリップで溶接物を挟みます。このとき、溶接しようとする素材に、汚れが付いたままになっていないか確認します。油や塗装材、ゴミなどが付いたままになっていると、接合がうまくいかない場合があります。
このため、アースクリップで溶接しようとしている素材の表面についた汚れを取ってから溶接の作業に入りましょう。
また、汚れを取るときに、接合しようとしている表面に錆がある場合も、取り除く作業が必要です。
装着
装着は、溶接棒の装着は、利き手でホルダーを持って行います。「洗濯ばさみを挟むように」というとイメージしやすいのではないでしょうか。
ホルダーを開いた状態で、溶接棒を挟み込みます。挟み込む場所に、フラックスがないかを確認しましょう。
準備
接合を始める箇所に、溶接棒をどのように持って行くかを検討しながら、遮光面で顔を覆って、接合の準備をします。それぞれ利き手と逆方向が溶接のスタート点となることに注意し、どのように溶接棒を持って行くかを検討しましょう。
溶接開始
ここまでは、実際にアーク溶接で素材を接合するまでの準備です。これらの工程が完了したら、溶接を始めます。
アーク溶接は、溶接棒で溶接しようとするものを引っかくようにすることで火花を起こさせて、放電される熱によって、接合するつなぎ方です。
溶接棒と接しようとしているものが、溶着したときには、ホルダーを引き離しましょう。溶接棒は徐々に短くなっていきますが、5㎜の間隔を維持できる程度に溶接するものを近付けます。
途中ですでに使用した溶接棒を使う場合には、フラックスに包まれていて、溶接を始められない場合がありますから、芯線が溶接する物に触れるようにする必要があります。
移動
次に、遮光面からホルダーと溶接棒を移動します。溶接棒は40度から60度程度倒して進めましょう。
アークへの注意が必要ですが、肉眼でアークを見ると光線と紫外線によって、目を傷めてしまう場合があります。
このため、必ず遮光面を通して見るようにしましょう。
注意したいこと
アーク溶接は、高い流電を必要とする素材のつなぎ方です。このため、一般家庭のコンセントからの出力では使用できない場合がありますから、注意しましょう。
また、溶接の工程で、光線や火花によって、目などを傷める場合があります。特にアークは強い光線を放つため、肉眼で見ることは避けましょう。
まとめ
ここまで、アーク溶接では、どのようなつなぎ方で素材を接合させるのかについて、わかりやすく解説しました。
アーク溶接は放電されるときの熱を使って接合するつなぎ方です。
このため、可能な溶接は、一般の鉄やステンレス、鋳鉄などを溶接することができます。それぞれに、専用の溶接棒があるため、溶接する素材に合わせて溶接棒を選びましょう。
アーク溶接に限らず、溶接は、さまざまな素材を接合することができます。ただし、素材や用途、場面に応じて、適したつなぎ方を選ぶ必要があります。
素材がどのようなものであるか、どのような目的で溶接されるかによって、溶接方法を選び、仕上がりのきれいな溶接を完結させましょう。
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