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ー溶接における注意点って?安全に作業するためのポイントも解説ー
2024.04.26
「溶接をするうえで注意することってある?」
「安全に溶接を行う方法を知りたい」
溶接は、高温の火花を散らして行うことから、安全に配慮した作業が求められます。溶接工として働く方にとっては、作業時の注意点や安全対策について知りたい方も多いのではないでしょうか。
溶接の注意点としては以下の4点が挙げられます。
・光やスパッタによる目や皮膚の障害
・ヒュームによるじん肺や中毒
・感電
・火災、爆発
この記事では、溶接のプロが「溶接における注意点や安全対策」を詳しく説明します。
溶接工として働く方は、ぜひ一度チェックしてみてください。
溶接作業における注意点とは?
ここからは、溶接の作業における注意点について解説します。
光やスパッタによる目や皮膚の障害
作業中に発生する光やスパッタによる、目や皮膚の障害に注意しなければなりません。
溶接の熱源からは、強い光や紫外線、赤外線が発生しています。この光を直接見ることで、目にごろごろとした感覚となり、痛くて目を開けられない状態となります。
症状は自然に回復していくものの、繰り返すことで白内障や急性電気性眼炎などの障害を引き起こしかねません。
たとえ作業が短期間であっても、ヘルメットや保護メガネを着用し、目の障害を防ぎましょう。
また、溶接中には光だけでなく、スパッタと呼ばれる金属や鉱物の粒が飛び散ります。
スパッタを浴びることで、皮膚を火傷する可能性があります。作業中は、革や難燃性布の保護具で全身を覆うようにしましょう。
「短時間だけだから」と考えず、必ずハンドシールドやヘルメット、保護メガネの着用を実施しましょう。
ヒュームによるじん肺や中毒症
ヒュームを吸い込み続けることによるじん肺や中毒症も注意点の一つとして挙げられます。
ヒュームとは、細かい金属粒子のことで、体に有害な物質を含んでいます。溶接で溶かした金属が蒸発し、空気中で冷却されることにより、作業現場内に拡散されます。
長い期間にわたってヒュームを吸うことで、「じん肺」と呼ばれる、肺が固くなり呼吸がしづらくなる病気や「中毒症」が引き起こされるのです。
これらの症状は、防塵マスクを着用しなかったり、屋内で換気を行わなかったりしたことにより現れるため、作業中は保護具の着用や換気を必ず行いましょう。
また、定期的に健康診断を受けることも大切です。
感電
アーク溶接の導電部に触れることで、感電する恐れがあるため注意が必要です。
アーク溶接では、作業中断時においても溶接棒の出力状態が続いています。アークの出力電圧は8〜40Vとなっており、濡れている状態で感電すると、最悪の場合死に至ることも。
感電は大きな事故に繋がる可能性が高いため、安全に作業することが求められます。
感電を防ぐためには、以下の3つのポイントに注意して作業を行うことが大切です。
1.作業前に溶接機の電源の場所を確認しておく
2.汗で作業服や手袋が濡れたと感じたら、作業を中断し着替える
3.作業終了後は直ちに電源を切る
火災・爆発
作業中に発生した火花やスパッタが可燃物に引火することで、火災や爆発の危険があります。
アーク溶接では、2万℃に達する高温のアークが発生し、5m〜10mの範囲にわたって火花や金属カス、スパッタが飛散します。周りに布やボンベなどの燃えやすいものが置いてあることで、引火して爆発する恐れがあるのです。
火災や爆発を防ぐためには、作業前に周りを確認し、可燃物を移動させておくことが重要です。どうしても移動させられない場合には、難燃性のシートで覆うことで引火のリスクを下げられます。
安全に作業するためのポイント4つ
ここからは、安全に溶接作業を行うためのポイントを4つに分けて説明します。
1.状況に合った溶接方法や溶接機を使用する
1つ目は、利用シーンに合わせた溶接方法や溶接機を使用することです。
アーク溶接にはさまざまな方法があり、母材や溶接の目的が異なるため、溶接方法と溶接機を時によって使い分ける必要があります。
たとえば、一口にアーク溶接機といっても「被覆アーク溶接機」「MAG溶接機」「TIG溶接機」などがあります。
それぞれの特徴を理解し、用途に最適な溶接機を選ぶことで、作業の効率を上げることはもちろん、安全性を高めることにもつながるのです。
2.適切な装備を着用する
2つ目は、適切な装備を着用することです。
先ほど説明した目の障害や、ヒュームによるじん肺などにおいては、適切な装備を正しく着用することで障害を引き起こすリスクが低くなります。
たとえば、アーク溶接では、以下のような装備をする必要があります。
・作業服
・防塵マスク(ヒュームの吸い込みを防ぐため)
・保護メガネ(アークの強い光や紫外線、赤外線から目を守るため)
・全長35cm程度の手袋(スパッタによる火傷やアーク光による日焼けを防ぐため)
・遮光溶接ヘルメット
溶接の方法によって、装備する用具は異なるため、作業前に必ず装備チェックをしてから始めるようにしましょう。
3.消耗品は多めに用意しておく
3つ目は、溶加材などの消耗品は多めに用意しておくことです。
アーク溶接では、溶接中に加える追加材料である溶加材が使用されます。溶加材は消耗品であるため、作業途中でなくなってしまう可能性があります。
溶加材を追加するために作業場を離れる場合、機材に当たったり、着用した装備を外すことで怪我をしたりとさまざまなリスクがあります。
リスクを避けるために、溶加材などの消耗品は事前に多めに用意しておくようにしましょう。
4.溶接に関する知識を習得する
4つ目は、資格取得や実習を通して、溶接に関する知識を習得することです。
安全に作業を行うためには、経験を積むだけでなく、知識や技術も身に付けておく必要があります。
習得しておくことで、万が一事故が起こったり、けがをしたりした際にスムーズに対応できるようになるのです。
たとえば、高温のアークを扱うアーク溶接の作業者は「アーク溶接作業特別教育」と呼ばれる、学科11時間と実技10時間以上の特別教育を受けなければ、作業に従事できません。
また、ガス溶接を行う場合は、専用の技能講習を受講することが義務付けられています。
安全に溶接を行うためには、作業時に注意するだけでなく、自分の頭の中に知識をインプットさせておくことも重要なのです。
まとめ
今回は、溶接における注意点や安全対策を分かりやすく説明しました。
溶接の注意点は以下の4点となります。
・光やスパッタによる目や皮膚の障害
・ヒュームによるじん肺や中毒
・感電
・火災、爆発
記事で説明した注意点や対策を参考に、安全な溶接作業をするようにしましょう。
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