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ー溶接作業に必須!遮光メガネの重要性と選び方のポイント解説ー
2024.01.29
溶接作業は強烈な光を発するため、遮光メガネや溶接面を必ず着用して目を保護する必要があります。
溶接面は顔全体を覆うように作られた防護具で、目だけでなく顔全体を保護します。そのため、視界が狭くなるのが難点です。
一方溶接メガネはサングラスやゴーグルのような形をしていて、軽量で視界が広く作業性が高くなります。
溶接作業がメインではない方や、短時間の利用や低出力の溶接をする方にもおすすめです。
この記事では、溶接メガネの種類や選び方について詳しくご紹介します。
溶接作業で遮光メガネをかけないとどうなる?
溶接作業は金属同士を高温で溶かして接合するため、強い光や熱が発生します。
この光はアーク光と呼ばれ、目に見える可視光線だけでなく、目に見えない紫外線や赤外線も含むのが特徴です。
裸眼でアーク光を直接見てしまうと「電気性眼炎」という炎症が起こり、目が赤くなったり痛みや涙が出たり、光を見るのが辛いといった症状が起こります。
「電気性眼炎」は症状がさらに悪化する場合もあるため、溶接作業をするときには目を保護することが大切です。
3タイプの形状
溶接の遮光メガネには、サングラス・ゴーグル・クリップといった3タイプがあります。
着脱のしやすさや外れにくさなど、溶接の作業内容にあったタイプを選んでください。
1.サングラスタイプ
サングラスタイプの遮光メガネは、普通のサングラスと同じような形をしているので着脱が簡単で使いやすいのがメリットです。
軽量で違和感が少なく、視界も広いので短時間の溶接作業にも適しています。
サイズが合わないとずり落ちやすく危険なので、しっかりフィットするものを選んでください。目の周りを覆わないので、隙間から光が入ってきたり飛散物が目に入ったりする危険性もあります。
サングラスタイプの遮光メガネは、趣味のDIY溶接や作業補助などに向いてます。長時間や高出力の溶接をする場合は、より安全性の高いゴーグルタイプがおすすめです。
2.ゴーグルタイプ
ゴーグルタイプの溶接メガネは、頭部にぴったりとフィットする形状でしっかり目の周りを覆い、光から目を保護することができます。
ゴーグルタイプはずり落ちにくく安定して着用できる点と、視界が広いため作業効率の高さが魅力です。
長時間や高出力の溶接をする場合や、作業中に移動することが多い場合には、ゴーグルタイプがおすすめです。
3.クリップタイプ
クリップタイプの遮光メガネは、ヘルメットや帽子にクリップで取り付けて使用します。
メガネの上からかけられることやレンズが曇りにくいことがメリットで、メガネをかけている方や湿度の高い環境で作業する方に向いています。
クリップタイプのデメリットは、クリップが外れやすいことや目の周りを覆わないので、クリップが外れると光が直接目に入る危険性があることです。
クリップタイプの遮光メガネは短時間や低出力の溶接作業に適しています。長時間や高出力の溶接作業をする場合は、より安全性の高いゴーグルタイプや溶接面を使用することをおすすめします。
溶接の出力に応じた遮光度
遮光度とは、溶接メガネのレンズがどれだけ光を遮断するかを表す番号です。
遮光度は1.2~16番までの19段階があり、溶接の種類や電流によって必要な遮光度が異なります。
・アーク溶接には8~11番
遮光メガネは、アーク光の強さに合わせて適切な遮光度番号のものを選びましょう。
遮光度が低すぎると目を傷める恐れがあり、高すぎると見えにくくなり作業できません。
一般的にアーク溶接には、遮光度8~11番程度が適しています。
・ガス溶接には3~5番
ガス溶接は、可燃性ガスと酸素を燃焼させた炎で金属を溶かして接合する溶接方法で、アーク溶接に比べると発せられる光がやや弱くなります。
このため必要な遮光度も低く、だいたい3~5番ぐらいの遮光度を持つ溶接メガネを使用すればよいでしょう。
ガス溶接には、専用の溶接メガネを使用してください。
アーク溶接用の遮光メガネを使用すると、遮光度が高すぎて溶接部位が見えにくくなり、作業に支障が出たり危険が増したりします。
材質や機能性
溶接メガネには遮光機能以外にもさまざまな機能があります。自分に合ったスムーズな作業ができる用品を選びましょう。
自動遮光機能タイプ
自動遮光機能タイプとは、溶接部位の光を感知すると自動で遮光するタイプのメガネです。
光を感知している間だけなので、光が消えると自動で明るく戻ります。大変便利で作業効率が高くなります。
自動遮光機能タイプの溶接メガネは、ソーラー電池搭載のものが多く電池交換の手間がありません。
自動遮光機能タイプの溶接メガネを選ぶときは、遮光速度や遮光度の調節機能などをチェックしましょう。遮光速度が速いほど目に優しく作業性が高くなります。
視力矯正用メガネとの併用
普段のメガネを着用した上からかけられるように設計された遮光メガネがあります。
メガネを外さずに溶接作業ができるため、視力が悪くても安全に作業ができ、メガネとの間に空気が流れることでレンズが曇りにくいメリットもあります。
視力矯正用メガネとの併用には「オーバーグラス」と呼ばれるタイプがおすすめです。
オーバーグラスはサングラスタイプの溶接メガネに比べてレンズ部分が大きく、メガネの上からすっぽりと覆えるので、隙間から光が入ってくるのを防ぐことができます。
軽量・耐衝撃性
溶接作業は火花や熱によってメガネのレンズが傷ついたり、落下や衝突によってメガネが壊れたりする可能性があります。そのためメガネの素材は、衝撃に強く熱にも耐えられるものが必要です。
溶接作業は長時間に及ぶことも多いので、メガネの重さも重要な要素です。
重いメガネは顔や耳に負担をかけてずり落ちやすくなります。軽いメガネは安定して装着できるので、作業が快適になります。
このように、溶接の遮光メガネには「軽量・耐衝撃性」の高い素材が求められ、そのなかでもおすすめなのが「ポリカーボネート製」のメガネです。
ポリカーボネートはプラスチックの中でも強度が高く、紫外線や赤外線をカットする効果もあり、安全性を兼ね備えた溶接作業に最適なメガネといえるでしょう。
まとめ
溶接の遮光メガネは、溶接作業に欠かせない安全用具です。
溶接の際に発生する強い光や熱から目を守るために、形状・遮光度・機能性に応じて適切なメガネを選ぶ必要があります。
この記事ではそれぞれの要素について詳しく解説しました。
溶接の遮光メガネは、作業効率や品質にも影響する重要なアイテムなので、自分の溶接環境に合ったメガネで安全な溶接作業を行いましょう。
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