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さまざまな種類がある配管の溶接。種類と特徴をわかりやすく解説
2023.04.28
配管の溶接は
配管の溶接では、
・どのように使われるものか
・どのような形の素材か
・どのような性質を持つ素材か
などに応じて、方法を選ぶ必要があります。
これは、配管に限ったことではありません。しかし、配管を作るときにも、どのような用途で使われる配管なのか、どのような管が使われるのかによって、溶接の方法を選ぶ必要があります。
ここでは、配管の溶接について、種類や方法をわかりやすく解説します。
種類
配管の種類は、溶接管とシームレス管に大きく分けられます。配管そのものであるパイプと、接合するためのパーツから構成されることがほとんどです。
ここからは、それぞれの特徴などをまとめて紹介します。
アーク溶接管
管の形をした継目をアーク溶接によって繋いだパイプがアーク溶接管です。
アーク溶接管は、金属板を筒状に作り、溶接するストレートシーム溶接と、らせん状になったコイル材を筒状に作り、溶接するスパイラルシーム溶接があります。
スパイラルシームは、サイズが限られることがなく、生産性に優れている特徴があるものの、溶接の量が増えるというデメリットがあります。一方で、ストレートシーム溶接では、パイプのサイズが金属板のサイズに限られるデメリットがあります。
電縫管
抵抗溶接によって接合され、管状の素材を継目で抵抗溶接しているものを電縫管といいます。
電流を流して抵抗が発生するときの熱によって、接合が可能になり、接合された部分は強度が高いことが特徴です。
また生産性にも優れているメリットがあり、ステンレスなどの製造に使われることが多いです。
鍛接管
熱を加えながら、さらに圧を加えて、管状の素材の継目を溶接したパイプが、鍛接管です。鍛接管は鍛接が用いられていることに由来しています。
生産性が高いという特徴があるものの、炭素網のみにしか使えないというデメリットがあります。さらに、接合した部分の強度が低く、熱を加えるために、表面が粗くなってしまうデメリットがあります。
シームレス管
シームレス管は「seamless」に由来し、継目がない配管のことです。
高い温度で熱を加え、ビレットに金具を押し付けることで配管の形が形成されます。溶接管との違いは、継目がないことです。ほかにも、プレス機械で配管を作る方法もあります。
配管全体を均等に保つことができ、中からの圧や捻じれに対する強度が高いメリットがあります。
炭素鋼やステンレス鋼などの素材に用いることができるため、厚みのある配管の製造にも向いています。ただし、寸法の精度が低かったり、表面の性状が良くなかったりする場合もあります。
溶接の方法は
配管の溶接では、パイプとパイプを接合したり、継手を接合したりする場合があります。そのため、用途に合わせて、どのような溶接を用いるかを検討する必要があります。また、仕上がりがきれいであるかも検討しなければなりません。
どのような溶接の方法を用いるかによって、配管の強度や作業工程が異なるため、用途や素材の性質に合わせた方法を用いましょう。
ここからは、どのような溶接方法が配管の接合を可能にするかを紹介したいと思います。
被覆アーク溶接
フラックスと呼ばれる被覆剤を塗った電極である溶接棒と素材に、放電を起こし、溶接する方法が被覆アーク溶接です。比較的多く使われる溶接の方法で、接合に必要な道具が少なく、接合する箇所を動かしながら溶接できます。そのため、配管を溶接するとき移動しながら溶接する必要がある場合には、適した溶接方法です。
ただし、配管に継目があり、継目に溝があると、清浄性が低くなってしまうデメリットがあります。清浄性が低くなることについては、重波溶接で継目を作らない対策が講じられますが、被覆アーク溶接では難しい場合が多いです。
重波溶接が難しく、液溜まりを避けなければならない素材の場合には、Tig溶接を用いると良いでしょう。
Tig溶接
タングステンを使って、溶加材と素材にアーク放電を起こし接合する溶接方法が、Tig溶接です。母材の融解した部分を空気から遮断するため、溶接を行うときは、不活性ガスで保護する必要があります。
電極と溶加材はそれぞれ単体であるため、重波溶接を用いたい場合には、広く使われています。また、溶接が可能な金属が限定されることがないメリットがあります。そのため、ステンレスやアルミニウムの配管の接合に多く使われています。
ただし、シールドガスや溶加材が必要であるうえ、移動しながら溶接することが難しいというデメリットがあります。また、ほかの方法に比べると、溶接されるまでの時間が遅いという特徴もあり、これがデメリットになる場合もあります。
マグ溶接
マグ溶接は、混合ガスで溶接する部分を保護しながら進めていきます。混合ガスでは、炭酸ガスと不活性ガスが使用されます。溶接棒と素材の間にアーク放電を起こさせて接合させる方法です。
炭酸ガスによって、アークが細くなり、そこにエネルギーが集まるため、溶け込みが深くなる特徴があります。エネルギーが集まることによって、強度が高まり、仕上がりがきれいだというメリットもあります。
しかし、アルミニウムなど、炭酸ガスが化学反応を起こす素材については、接合方法として使えません。そのため、鉄などの配管を接合するために用いられることが多いです。
まとめ
今回は、配管を接合するときに用いられる溶接の種類や特徴について、詳しく解説しました。
配管では、溶接管とシームレス管が使われることが多くあり、どのような場所で使われる配管であるかによって作られるときに用いられる溶接方法が異なります。また素材によって溶接方法も異なる場合が多いです。
さらに配管では、接合した部分の強度や精度、仕上がりの美しさ、接合が可能な素材であるかを把握し、溶接の方法を選ぶ必要があります。
条件に適した配管を作りたい場合や、作られた配管の溶接を適切に行いたい場合には、溶接の専門的な知識が必要であることはいうまでもありません。
また、適切な溶接を行うためには、熟練した技術が必要な場合もあります。効率よく大量の生産を可能にするために、技術を必要としない溶接方法もありますが、どのような場合でも必要な溶接を正しく行うことが大切です。
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