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ー溶接のはんだ付けとは?作業の手順や上手に行うコツを紹介ー
2024.04.19
「溶接のはんだ付けの手順を知りたい」
「はんだ付けをうまく行うにはどうすれば良い?」
溶接の種類の一つであるはんだ付け。
はんだ付けをしたことがない方は、作業の方法やコツなどを知りたい人も多いのではないでしょうか。
はんだ付けとは、金属の材料同士を、はんだという合金を溶かしながら接合する溶接方法です。専用の道具を使用し、コツをつかむことで上手に仕上げられるようになります。
今回は、溶接のプロがはんだ付けの概要や手順、作業のポイントなどについて詳しく説明します。
はんだ付けをこれから行う予定の方は、ぜひ記事をチェックしてみてください。
溶接におけるはんだ付けって何?
はんだ付けとは、はんだと呼ばれる合金を熱で溶かし固める溶接によって金属同士を接合する技術を指します。
基盤に部品を接合させる技術はシンプルではあるものの、上手に行うにはコツが必要です。
はんだ付けの特徴は、溶接しても電気を通すことです。そのため、主に電子機器や自動車、精密機器など電気を使用する製品に対して幅広く使用されています。
はんだ付けと似ている溶接方法にろう付けがありますよね。
はんだ付けとろう付けは、溶かして固めるという観点では同じです。しかし、加熱して溶かした際の融点(個体から液体になる温度)が異なることが大きな違いとなります。
はんだは450℃以下で液体になるのに対し、ろうは450℃以上の高い熱にて溶けます。
ろう付けは融点が高いろうを使うため、はんだ付けよりも接着強度が高くなりますよ。
一方、はんだ付けはろう付けより低温で行うため、熱の影響が少なく硬度が強くなるのです。ろう付けよりも、容易に接合できるという特徴もあります。
はんだ付けを行う手順を紹介
ここでは、はんだ付けを実際行う際の手順について説明します。
1.道具を準備する
まずは、きれいにはんだ付けを行うために、必要な道具を準備します。溶接に使う基本の道具は以下の通りです。
- はんだごて:はんだを溶かすための道具
- はんだ:はんだ付けに使われるすずが含まれる合金
- フラックス:接合部の金属についている汚れを落とし、はんだが付きやすくする
- こて台:安全にはんだごてを立てかけられる道具
- こて先クリーナー:はんだごての先端の汚れを取り除く道具
上記の基本的な道具とあわせて、手袋や眼鏡などの安全対策グッズも用意するとさらに良いでしょう。
2.こて先を温める
はんだごての電源を入れて、こて先を温めます。
種類にもよって異なるものの電源を入れてから3〜5分程度はかかるため、こて台において待つようにしましょう。
3.こて先をクリーニングする
きれいなはんだ付けを行うために、こて先をクリーニングしましょう。
クリーニング方法としては、水を含ませたスポンジに、こて先を当てるようにして汚れをふき取ります。
4.接合部を温める
はんだ付けを始める直前に、接合部を温めておきましょう。
熱すぎると痛めてしまうため、約4秒間を目安に温めてください。
5.はんだを送る
次に、接合部にはんだが流れていくまで溶かし続けます。
はんだの量が少量になるよう集中して作業を行いましょう。作業時間としては約2秒です。
6.はんだを離す
はんだが山型になったタイミングで、はんだを離します。
こて先は接合部に置いたまま、はんだのみを手早く離すのがポイントですよ。
7.はんだごてを離す
はんだを離した後にはんだごてを離します。
余分となった足はニッパー等で切り取りましょう。
8.接合した箇所を洗浄する
はんだ付けが終わったら、接合部分の洗浄を行います。
これではんだ付けの全ての作業が完了します。
はんだ付けでよくある失敗とは?
ここからは、はんだ付けを行う際にありがちな失敗について紹介します。
ヤニ付けになっている状態
ヤニ付けの状態とは、基盤と線のすきまに、フラックスと呼ばれるヤニ(脂)の膜がある状態で、電気が流れない状態のことをいいます。
作業直後は、ヤニの膜が邪魔をせずに電気が流れる場合もあるため、少し時間が経ってから失敗に気づくこともあります。
熱が均等に伝わっていないことが原因であり、はんだごてを当てる位置を工夫することで失敗を防げるでしょう。
目玉はんだの状態である
目玉はんだとは、はんだの量が少なすぎたり多すぎたりすることで、接合がうまくいかずに電気が流れなくなる状態です。
はんだの量が少ないと、基盤と線の接合面積が小さくなり、接合が弱い状態となってしまいます。一方はんだの量が多すぎる場合、接合部分が複雑な形となり電気が正しく流れません。
こて先の温度を調節したり、熱の与え方を均等にすることで対策できますよ。
イモはんだになっている
イモはんだとは、接合部分がイモの形のようになり、しっかりと固定されていないことです。イモはんだはよくある失敗であり、軽い衝撃が加わっただけで、接合が取れてしまいます。
はんだの量と加熱時間を意識することで、イモはんだを防げるでしょう。
はんだ付けを上手に行うコツを4つ紹介
最後に、はんだ付けを行うにあたって、上手に作業するコツを4点にわけて解説します。
1.こてを温めてから使う
1つ目は、こてをしっかりと温めてから使用することです。
こて先の温度が低い場合、はんだをうまく溶かせずに正しく接合できない可能性があります。反対に温度が高すぎると、接合する金属を傷めてしまったり、はんだが溶けすぎてしまい、失敗につながります。
こて先の適性温度は、340度〜360度です。はんだごては、適切な温度になるまで2〜3分ほどかかるため、こて台に置いて待つようにしましょう。
2.こて先をきれいに保つ
2つ目は、こて先をきれいな状態で保つことです。
こて先にゴミや酸化物などの汚れがついていると、熱がうまく伝わらないため、はんだを適切に溶かすことが難しくなります。
こて先クリーナーを使って、まめにクリーニングをするようにしましょう。溶接の途中であっても、こて先が黒色や茶色になってきたらクリーニングするのがおすすめです。
3.こて先を寝かせて当てる
3つ目は、こて先を寝かせるようにして基盤に当てることです。
はんだごてを立てて使うと、とがった部分しか基盤に当たらないため、うまく熱を与えられません。
こて先を寝かして行うことで、一度で十分に熱を与えられるため、はんだづけが成功する確率が高くなりますよ。
4.作業は風当たりのない場所で行う
4つ目は、作業を風が当たらない場所で行うことです。
はんだ付けでは、温度管理が大切です。エアコンなどの風が当たってしまうと、はんだごての温度が下がり失敗へとつながりかねません。
作業する箇所に直接風が当たらないよう注意しましょう。
まとめ
今回は、溶接におけるはんだ付けについて、概要や手順、上手に行うコツなどをわかりやすく説明しました。
はんだ付けとは、金属同士の接合部にはんだという合金を溶かしてくっつける溶接方法です。適切な道具を使用し、手順やルールを守ることできれいに仕上げられます。
はんだ付けに興味のある方は、ぜひこの記事を参考にしてくださいね。
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